数理統計学の体系的テキスト
一通り統計学の原理を理解した学生、取り分け理工系の数学的素養の整った学生にとっては非常に有益なテキストである。基本的な内容は深く掘り下げて居ないが、数学的・理論的に統計学を進めつつも、実社会でそれらがどの様に応用されているのか具体的な例を踏まえながら非常に分かりやすく説明されている。本シリーズの「統計学入門」に物足りなさを感じた人文系の学生や、専門で統計学を利用する学生には是非もう1ステップを踏んで貰いたいところである。 統計学といっても、実験数学の観点から言えば自然科学の主たる分野に組み込まれるだろう。物性物理や実験化学、或いは経済等の社会科学に於いても証券・金融などでは高度な統計学を用いる機会も多い。本書では、ベイズ統計や確率過程にも話題が及び、実り多い内容となっている。入門的な内容から一歩踏み込んだ内容であるのに、様々な方向に応用の利くと言う点は、如何に統計的手法が重要な資質であるかを物語っている。統計学の表面的な応用や入門理論で満足する事無く、是非ともこのレベルまで基盤を高めて欲しい。
あるレベルでの統計学のバイブルです
統計学の基本を学ぶ教科書的な役割と、個別に各セクションを見ても役立つ参考書的な役割を併せ持つ良書であると思う。「自然科学」の統計学と名乗る必要はないのではないかと思えるぐらい、「社会科学」にも有用である。これだけ情報があふれる社会となってしまった現在、必要な情報を選抜する能力と情報の信頼性を的確に判断する能力が必要となっている時代には統計学は欠かせない。 内閣の支持率が2ポイント減少したのは、本当に内閣の人気が下がったのか、2ポイントにどれほどの重みがあるのか、調査する集団の抽出に問題はなかったのか。そんな問題でマインドコントロールされぬよう、これからの国民には統計学は必修だ。本書は理科系の大学生以上を対象としており、一般的には多少難解な点があるが、国民にはそれぞれのレベルに応じたバイブルが必要であると思う。 そんな中、本書はあるレベルの者のバイブルになりえる。 公式の理解に疲れたら、随所に書かれたコラムに目を移してもよい。「最尤法(さうゆうほう)」は「もっとももっともらしい方法」という意味でまぎらわしいが、英語でlikelyを表す「尤」は、中国ではmost「最」という意味を表しているそうで、さらにややこしいなど、読んでいて楽しい。
社会科学者にもお勧めです。
大変分かりやすく,しかも丁寧に書かれています。「自然科学の…」とありますが,特に社会科学の分野で統計を活用されている方にお勧めします。 統計的手法はその手法の背景にある理論を理解することが現象の背後にあるものを把握するために重要となります。本書はその手法の背景にある考えの流れを直感的かつ理論的にも明快・体系的に示してくれます。 社会科学の文献ではこのあたりを曖昧にして話を進める,ということも多々見受けられますが,この本を読めば何が本質で,何が些事か,用いられている統計的手法はよく理解され正しく用いられているか,ということが見分けられるようになると思います。ぜひ読んでください。
理科系分野での統計学応用ためのバイブル
統計学を、自然科学(というか理科系学問全般)にどのように生かすかを念頭において書かれた教科書。たんに統計学で使う指標の式やそれを扱う公式を列挙するだけに留まらず、概念を身につけることができるように書かれている。統計学の神髄を理解し応用能力を会得することができる名著であると思う。
東京大学出版会
統計学入門 (基礎統計学) 人文・社会科学の統計学 (基礎統計学) ベイズ統計学入門 統計学のための数学入門30講 (科学のことばとしての数学) 統計的方法のしくみ―正しく理解するための30の急所
|